「ムーンフラワー・ホテル殺人事件」は「ブランロウ・ホール殺人事件」に関係する人物や場所を少しずつずらしながら書かれているので、だんだん誰が誰をモデルにしてるかごちゃごちゃになってくる。
スーザンを真似て、読みながら作ったメモ。
作りながら「ん・・・これは・・・?」と何度か思ったが、思い返せばすべてレッドへリングだったのだ。しょせん私程度の頭脳で解けるパズルではなかった。
スーザン・ライランド・・・アラン・コンウェイの担当編集者
ケイティ・ライランド・・・スーザンの妹
アラン・コンウェイ・・・推理小説家、アティカス・ピュントの生みの親
メリッサ・コンウェイ・・・アランの元妻
ジェイムズ・テイラー・・・アランの恋人
ロック警視正・・・地元の警察
サジッド・カーン・・・アランの顧問弁護士
フランク・パリス・・・著名な広告業者、サフォークの高級ホテル「ブランロウ・ホール」でウェディングが行われている最中に客室で死体で発見される
ジョアン・ウィリアムズ・・・フランクの姉妹
マーティン・ウィリアムズ・・・ジョアンの夫
セシリー・トラハーン・・・8年前の殺人事件の真相をつかんだあと失踪
ローレンス・トラハーン・・・ブランロウ・ホールの経営者、セシリーの父
ポーリーン・トラハーン・・・ローレンスの妻
リサ・トラハーン・・・セシリーの姉
エイダン・マクニール・・・セシリーの夫
ロクサーナ・マクニール・・・セシリーの娘
エロイーズ・・・マクニール家のフランス人ナニー
ベアー・・・セシリーの愛犬
ステファン・コドレスク・・・ホテルの従業員、ルーマニア移民
ナターシャ・モルク・・・ホテルの従業員、メイド、死体の第一発見者、エストニア移民
デレク・エンディコット・・・ホテルの従業員、ナイトマネジャー
ライオネル・コール・・・ホテルの従業員、ジムのインストラクター
ジョージ・ソーンダース・・・ブランロウ・ホールの宿泊客、学校長
作品メモ
「ブランロウ・ホール」は18世紀に建てられた館で「新米刑事モース」や「トップギア」のロケ地にもなった(という設定)。
ブランロウ・ホール・ホテルのロゴにはフクロウがあしらわれている。ムーンフラワー棟は殺人が起きた翼棟。
アティカス・ピュントの第一作がBBC1で制作中(という設定)。主役はケネス・ブラナー。フレイザー君は登場しないが、ジェイムズ・テイラーはベン・ウィショーに演じてほしがっている。
ついでに
時の流れ
第二次大戦後~1955年
■アティカス・ピュントがルドルフ・ダイアモンド盗難事件を捜査する。(第3作)
■アティカス・ピュントがムーンフラワー・ホテル殺人事件を捜査する。(第3作)
■アティカス・ピュントがジェイムズ・フレイザーと出会う。(第4作以降?)
■アティカス・ピュントがカササギ殺人事件を捜査する。(第9作)
8年前
★ブランロウ・ホールで高級万年筆がなくなる。
★ブランロウ・ホールでウェディングと殺人事件。
☆数か月後にアラン・コンウェイがブランロウ・ホール殺人事件を取材する。その後アティカス・ピュントの第三作Atticus Pund Takes the Caseを出版。
☆アラン・コンウェイがゲイであると公表し、妻と離婚。ジェイムズ・テイラーと暮らしはじめる。
2年前
〇カササギ殺人事件の原稿が紛失、スーザン・ライランドが捜索する。
現在
★セシリー・トラハーンがブランロウ・ホール殺人事件の真相に気づき、失踪する。
〇スーザン・ライランドがセシリーを捜索する。
あらためてすごい数の登場人物。
「ムーンフラワー・ホテル殺人事件」と「ブランロウ・ホール殺人事件」の両方が丸々入っているうえに、中盤では再就職先を探すスーザンがロンドンで昔の知り合いに会って食事する場面が繰り返し出てくる。本の配送センターがハッキングされて物流がめちゃくちゃになったとかいう愚痴を聞かされたりして、それでなくても長い話がさらに長く感じられるが、すべてに解決のヒントが潜んでいる。何もすべてに伏線を隠してくれなくていいのに・・・と思うほど、あらゆる細部に意味が込められているので(種明かしされない部分にもイースターエッグがたくさんあると思われる、吠えた犬とか、何度も出てくるアールズコートのフラットとか)まったく気が抜けない。