ゴールデンカムイとカラマーゾフの兄弟

(漫画『ゴールデンカムイ』のネタバレがあるのでご注意ください)

ゴールデンカムイ』を最終話まで一気読みしたあと何日も苦しみました。

何を苦悩していたか思い出してみると
・月島はなぜ鶴見に裏切られてはまた信じ、さらに裏切られてどん底に落とされるのか?
・月島の性格設定が分からない。温厚そうに見えるのに過去に衝動殺人を行っていたとは?
・尾形が怖い。無口かと思ってたら突然一人でペラペラ喋りだすし、おしゃべりの内容が独善的すぎてまったく理解できない。
・尾形は私生児なのにどうして父や異母弟と同じ師団に所属しているのか、そしてなぜ誰もが彼が師団長が愛人に産ませた子と知っているのか?(普通隠すのでは)
・鶴見のお気に入り4人の中に父殺し犯が2人いるが、比率が高すぎない?

おもに月島と尾形の設定が謎すぎて悩んでいたのです。
夜も眠れなくなり、どうして他のグループ(新選組とか)と比べて鶴見チームだけ日本人ばなれした苦悩の中に生きているの?何なの宗教なの?ロシア文学なの!?と半ギレになったところで

あ、これがカラマーゾフの兄弟

と答えが降りてきました。

以前「ゴールデンカムイカラマーゾフの兄弟を下敷きにしているらしい」とネットで見て、へえ、どういう漫画なのかなと興味を持ったことも思い出しました。

どのサイトのどういう文脈で読んだ文章か忘れてしまいましたが、そのさりげない一文のおかげで私の悩みは雲散霧消し、すっきりと朝を迎えることができました。どこのどなたとも存じ上げぬ書き込み主のお方、ご恩は忘れません。

カラマーゾフの兄弟』だと気づいたら多くの疑問がさーーーっと解けて爽快でした。
もし終盤の展開が不可解すぎて世界が終わった気持ちになっている方がいたら、ドストエフスキーだから仕方ないと思って読むと気分がラクになるかも知れません。

いい機会なので『カラマーゾフの兄弟』読み直したい。でも手元に本がないので、とりあえずオーディブルThe Brothers Karamazov [Naxos AudioBooks Edition]を聞いています。朗読のConstantine Gregoryさんはお母さんがロシア人なのですね。とても聞き取りやすいが、ちょっとハードボイルドクライムサスペンスっぽい雰囲気の朗読。

 

 

By: Constance Garnett - translator, Fyodor Dostoevsky
Narrated by: Constantine Gregory
Length: 37 hrs and 4 mins