サンドマン オーデイオドラマ日本語版

オーディブル日本に入会したので、英米では配信されていない『サンドマン日本語版』を聞きました。

The Sandmanのオーデイオドラマオは英語版が配信されたあと、多言語バージョンが作成されています。
英米版のオーディブルのサイトにはドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語の他にヒンディー語版もありました。
サンプルを聞いてみるとヒンディー語版はバーフバリ風に聞こえる(インドだから偏見持ってるだけ)。フランス語はジョン・ハサウェイ博士とロドリック・バージェスが「ボンジュール、ムッシュー」「ボンジュール!」「メルシー」などと挨拶しあっていてほのぼのした雰囲気です。Magdaleneはマグダレンだった。フランスだからな。

おそらく各国版とも音楽や効果音は同じで、台詞の部分だけ変えていると思われます。英語版を聞いてたころはコミックの内容もあまり理解していなかったので、当然音声も聞き取れず何度も何度も巻き戻して聞いていたけど、日本語版は一度聞けば理解できるので進むのが早くてありがたい。母語のありがたみを感じました。

 

サンドマン役の森川智之氏がとても優しい聞き心地の良い声なので、怖い場面はどうするんだろうかとちょっと心配していましたが、なぜか話が進むにつれ、マカヴォイの語調に似てくるように思えました。どうなってるんだろう。

脚本翻訳者は膨大な知識が要求されて大変だったでしょうね。
英語版で意味不明なジョークや意味不明な比喩は、日本語版でもそのまま意味不明に訳されてました。「リビングストン博士とお見受けする」のギャグとか、どうにも訳しようがないよね。
でもイギリスの地名のニューカッスルニューキャッスルと読ませるのはホテルの名前みたいでどうかと思う。

英語で何て言ってたっけ?と思ったのが、地獄の描写の「脱工業化の悪夢」ってところと、ローズのあたりで出てきた「うさぎ狩りなの牧師さん」って言う部分。アリスに掛けてたのかな?


キャラクターの名前はモルフェウス、カイン、アベルと英語読みではなく、日本の慣習に沿った読み方で良かった。

英語版のナレーションは原作者のニール・ゲイマンでした。サンドマンの世界観を説明してもらうのにこれ以上の人選はない。作者本人が夢の世界を解説してくれるというのが重大ポイントでした。
ゲイマンご本人の解説だからコメンタリーありがたやと拝みながら聞くが、ゲイマン以外だと誰がやってもうるさいト書きに堕してしまうのは避けられないと思う。

いっそのことAIにゲイマンの声をサンプリングして日本語で朗読させたらよかったのでは?

 

脇役のどうでもいい人物ほど声の演技が上手いので奇妙な感じだった。ジェドと偽サンドマンのところが全員うまくて一番ラジオドラマらしかった。

 

あ、あと時々「むかいでは」というナレーションがあって「対面かな?」と思っていたらどうやら「向かい」ではなく「夢界」らしい。ドリーミングの訳語なんでしょうね。耳で聞くとちょっと分かりづらい。