「海馬を求めて潜水を」

ノルウェー人姉妹が書いた記憶についての本。
記憶と言えばもちろんマルセル・プルーストも出てくるのですが、彼は実はマドレーヌではなくトーストで思い出したというエピソードが面白い。
確かにカリカリのトーストをかじった瞬間のほうがいろいろ思い出しそう。

なぜかところどころ作者姉妹の座談会みたいなのが挟まっています。
この本の翻訳は読みやすくて、文句を言うつもりは全然ないのですが、姉妹の口調がいわゆる「女言葉」です。
いや、いいんですよ、「女言葉」で構わないんですよ。
ただ、「~だわ」「~のよ」という語尾の姉妹の会話なので、つい阿佐ヶ谷姉妹の映像が浮かんでしまい、困りました。

現代日本で日常的にああいう語調で喋る女性って、もはや阿佐ヶ谷姉妹だけなんでしょうか。

 

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「海馬を求めて潜水を
作家と神経心理学者姉妹の記憶をめぐる冒険」

著者
ヒルデ・オストビー
イルヴァ・オストビー
訳者
中村(今井)冬美
羽根由