リアム・カニンガムさんがジョン・シムと共演した刑事ドラマがあると聞いて、どんな天国かと見てみました。
ネットでの評価も良く、期待が高まります。
(恒例ネタバレ&画像勝手にごめんなさい)
Crackerは日本でも『心理探偵フィッツ』のタイトルで放映されていたそうです。
マンチェスターを舞台に、主役の心理学博士が警察に協力して事件を解決するドラマ。
今日ご紹介するのはCrackerシリーズ3(1995)のBest Boysというエピソード。
縫製工場の現場主任(foreman)スチュアート・グレイディ(Stuart Grady)は女性従業員たちが新入りの若者ビル・プリース(William 'Bill' Preece)に集団セクハラしている現場に出くわし、女性たちを止める。
ズボンを脱がされてるビル。北イングランドではズボンをkecksと呼ぶそうです。通常複数形。
方言が多くてリスニングに苦労する。
白馬王子主任をリアム・カニンガムさん、救出された若い衆をジョン・シムが演じています。
ビルは残業したいと言うが、彼は残業リストに載っていないので定時で上がらせるグレイディ。
夜になって工場で警報が鳴ったためグレイディが他のスタッフと駆けつける。
グレイディはビルが工場にいるのを発見するが、異常なしと報告してビルを連れ出す。
ビルは児童養護施設(children's home)を出たばかりで行くところがないと言う。
グレイディはやむなくビルを自宅に連れて帰りソファで寝かせてやる。イギリス英語ではちょっと横になることをnapではなくてkipって言うのですね(豆知識)。
夜中に目を覚ますとビルはグレイディの趣味の彫刻で遊んでいる。
ダヴォスちゃんは鹿とか船とか彫刻するのが得意だったが・・・
フクロウかと思ったらタカだった。グレイディは鳥が好きなのか図鑑まで持っている。
スタニス陛下は若いころタカを飼ってたのよね・・・
図鑑の下に軍隊時代の写真が。
なぜ工場に侵入したんだ、アラームが鳴るのは知っていただろう?と尋ねるグレイディにビルは
「あんたは鍵を持ってるだろ、俺を連れに来てくれると思ったから」。
・・・なにこの小悪魔・・・・・
ビルは十七歳という設定です。いくらジョン・シムが若く見えるって言ってもテーィンエイジャーは無理だろうと思いながら見ていると、だんだん未成年に見えてくるので不思議。
翌朝グレイディは朝食を作っている。ベーコンエッグだった。美味しそう。
勤務は昼からにしてもらったからと言うグレイディ。
何かする予定なの?とシャワー室から顔を出すビル。キッチンの真横がバスルームなんですね、狭い間取り。
呆然とビルを見つめるグレイディ。ここの不自然な沈黙が上手いリアムさん。
そこへ突然大家が登場。
家賃をもらいに来た、という大家にグレイディは家賃はきちんと払っているでしょうと答える。
大家は「あなたは今まで朝食なんて作ったことがない。彼女はそれだけの価値があるんでしょ。住人が増えたぶん30ポンド払ってもらうよ」。大家さんすごい観察力。
ビルがシャワーから出てくる。大家の態度は急変。
追加で60ポンド払って、そのwhoreをさっさと追い出せと言う大家。
60ポンドでもあんたたちが払う罰金より安いんだからね、ってことはこのドラマの当時は同性愛が違法だったのでしょうか。
shirtlifter:
彼は同僚だと説明するグレイディ。
大家のセリフがよく分からない。
サンディ・ショウは裸足の脚線美で有名な女性らしく、ただの同僚ならどうして裸で歩き回ってるんだい、って意味でしょうか。
警察に通報すると脅す大家。
そこへ近づいてきたビルが、グレイディの彫刻道具で大家を刺す。
え、いきなり?
驚愕するグレイディ。傷は浅かったので自室へ逃げ帰って警察に電話しようとする大家。
ビルは通報されるまえに何とかしろ!とグレイディに叫び、パニックになったグレイディは大家を殺してしまう。
あまりの急展開にびっくり。どうなるのこれ。
警察は帰宅した大家の夫を誤認逮捕。
下宿人も不審者を目撃しなかったか質問されますが、地どり担当の刑事がとてつもないボンクラです。
グレイディは朝買い物に行ったとき大家を見かけたけど元気そうだったと証言。
見るからに挙動不審でびくびくしているのだが警官は気づかない。
ビルは息子のフリをして刑事をごまかす。
警察をやり過ごした二人は工場へ出勤するがビルはまた女性同僚にセクハラされる。
グレイディはかっとなって女性を解雇。
面倒ばかり起こすビルにグレイディは怒りをおさえられない。
どうして殺したりしたんだとビルをなじるグレイディ。
ビルは「俺は刺しただけ、殺したのはあんただろ。俺たち二人でやったんだ」
どうするのこの小悪魔・・・・
この項続きます。
怖い顔の女性大家さんですが、このあと検死の場面では死体役もつとめていた。
アメリカのドラマだったら不自然なナイスボディかと思いますが、そこはリアリズムのイギリスドラマ、美しくない中年女の肉体を惜しみなくさらけだしていて、プロの鑑やなと感服しました。