Firelight (1997)にスティーブン・ディレインが出てるのでずっと見たいと思っていました。
DVDがなかなか手に入らなかったのですがついに入手。
以下思いっきりネタバレしています。
スティーブン・ディレインのことしか書いてないので、まさかと思いますがソフィ-・マルソー目当てでお越しになった方はごめんなさい。
(恒例ネタバレ&画像勝手にごめんなさい)
1837年のイギリスが舞台です。
ヒロインのエリザベス・ローリエ Elisabeth Laurierはスイス人家庭教師。
父親の借金を返すためにとあるイングランド人地主のために彼のこどもを生む契約をする。
三日間地主と過ごして、こどもが生まれたら引き渡す約束。
地主は衝立の陰から面接したので、エリザベスは彼の顔を知らない。
ホテルの食堂で秋波を送ってくる老紳士に「この人かしら・・・」とか思いながら自室へ戻ってみると。
地主はすでに部屋で待っていました。
きみと一緒にいるところを誰にも見られたくないので先に部屋で待っていた、気に障ったらすまないと説明する地主。この説明の仕方がすごくスタニス。
旅はどうだった、とかホテルは居心地が良いか、とか一応スモールトークに務める地主。
ぎこちなくて可愛い・・・・・・・・・
きみは心の準備が必要だろうか?とたずねる地主。
家庭教師はもう準備できてますと平静で、さっそく開始することになりました。
「暖炉の火は思ったよりも明るいね、消したほうがいいかな?」と気遣う地主だが家庭教師は気にしない。
タイトルのFirelightは暖炉の炎のもとでしか愛し合うことができない恋人同士を意味しているのでしょう。
酒を飲んで気を落ち着けようとする地主。
このあとも動揺すると飲み物を口にする。分かりやすい。
一晩目はロボットのようにぎこちなく機械的な二人でした。
それはともかく、そのあと。
公開当時はおそらく「ソフィ-・マルソーの大胆なベッドシーン」が売りだったのではと想像するのですが、いま見るとスティーブン・ディレインのほうが大胆だ。
地主は眠っているのかと思ったら実は起きていて家庭教師が部屋を出ていくのを見ています。
家庭教師の部屋なのですが・・・男が出ていくんじゃないのか普通は。
二日目の朝、家庭教師は昨夜の老紳士がある女性に声をかけて、一緒に立ち去るところを目撃する。
ここはそういう宿なんでしょうか。
いつの間にか背後に地主がいて
「わたしもあの男と同じようなものだと思っているんだろうね」
などと気にしいなところを発揮。
しかし「いやどーでもいいです」と答えられるとそれはそれで悲しいらしい地主。
さらに「わたしには義務があるんだ」と聞かれてもいないことを話しはじめる地主。
きみはスタニス。
キャプチャとれてしまったので・・・・・・・・ごめん・・・・・・
家庭教師は地主に魅かれているようです。
だからといってそんなに撫でまわす必要が!?
家庭教師が無表情なぶん地主が複雑な表情でおぎなう役割のようです。
ソフィ-・マルソーを楽しみにしていた当時の観客は地主ばかり見せられるのでとまどったのではないでしょうか。
三日目の朝、海岸を散歩する家庭教師に寄ってくる地主。
誰にも見られたくないといったくせに・・・
この帽子が可愛いの・・・
すっかり打ち解けた二人
契約の三日間が終わり、家庭教師は故郷に帰る。
妊娠してなかったらどうするんだろうと心配ですが、大丈夫だったようです。
この館のひとり娘ルイーザLouisaは甘やかされた野生児で、どの家庭教師も長続きしないが、エリザベスは手なづけることができそうだ。
そこへ館の主チャールズ・ゴドウィンCharles Godwinがロンドンから帰宅する。
もちろんチャールズ・ゴドウィンがあの謎めいた地主だったわけです。
すごい偶然!と思ったらエリザベスが執念の調査で突き止めたみたい。
実はチャールズ・ゴドウィンは当主ではなく、父親のLord Clareロード・クレアがまだ存命なのです。
ロード・クレアはロンドンで愛人とともに贅沢な生活をしていて本宅へは寄り付かない。
父がロードなのに息子がただのミスター・ゴドウィンなのがよく分からない。ロード・クレア・ゴドウィンなのかロード・なんとか・クレアなのかも不明。
チャールズ・ゴドウィンの妻エイミーAmy Godwinは事故で十年前から植物状態。エイミーの妹コニーConstanceが家政を取り仕切っています。
チャールズ・ゴドウィンは妻にだけはルイーザが自分の子だと打ち明けたらしいのですが、他の人にはどう説明しているのだろうか。(なお妻が告白を理解できたかどうかは不問)
ともあれ複雑な家庭環境でルイーザはまともなしつけも教育も受けずに放任されているのです。
「繁殖にのめりこみすぎるのは良くない」というチャールズ・ゴドウィンは自分のことを言っているのか?
ルイーザの新しい家庭教師と引き合わされて愕然とするチャールズ・ゴドウィン。
お金は返すからルイーザを返してほしいと言うエリザベス。
自分には跡継ぎが必要なんだと怒るチャールズ・ゴドウィン。
しかし19世紀のイングランドでは女子は継承権ないのでは・・・バラシオン家のシリーン姫だからいいのか?
チャールズ・ゴドウィンはエリザベスをすぐに追い出そうとするが、事情を知らないコニーが「次の勤め先が見つかるまで一か月は雇うのがルールだから」と取りなして一か月おいてもらえることになるエリザベス。
コニーはチャールズ・ゴドウィンを密かに慕っていて、結婚はできなくても(妻の姉妹との結婚を禁止する法律があったらしい)いっしょに年を取りたいと願っています。しかしエリザベスに温情をかけたばかりに気の毒なことに。
エリザベスはルイーザをきびしく教育する。反発するチャールズ・ゴドウィン。
だがエリザベスに理路整然と説得されてやむなく譲歩するのだった。
授業をいやがって父にしがみつくサルのようなルイーザ。
娘を冷たくつきはなすことができないチャールズ・ゴドウィン。可愛い・・・
冬なのですが、毎朝(全ハダカで)水泳するチャールズ・ゴドウィン。この場面必要性あるのか?
たぶんストレス解消なのでしょうが、大声で叫びながら泳いでいた。クロールで叫ぶのは難しそう。
あずまやから毎朝見つめる家庭教師。怖いよ・・・
七年前の三日間を思い出し、徐々に親密になっていくエリザベスとチャールズ・ゴドウィン。
クリスマスのダンスパーティをぬけだして二人だけで踊る。ロマンチック・・・
ついに思いを告白するチャールズ・ゴドウィン。
しかし寝たきりの妻や借金まみれの領地を捨てて逃げることはできない。
ルイーザに目撃されてしまう・・・
父ちゃん気をつけろよ。
ゴドウィン家は借金がどうにもならなくなって、館を手放すことに。
チャールズ・ゴドウィンの寝たきりの妻もついに世を去る。
妻の死の場面はなかなか衝撃的です。突然の苦悩心理劇。
最後は意外にふっきれたハッピーエンドだったのですが、チャールズはこの後は重い人生を送ることになるんじゃないかな。十年後のこの人たちどうなってるか見てみたい。
もはや忘れられた作品かと思いますが、スタニスファンには心からおすすめできます。
陛下がとてもお美しい。