「スペインが新型コロナウイルス対策にベーシック・インカムを導入」というニュースが流れたと思ったら実は貧困層に対する補助だったという訂正ニュースが流れたりした今日、ルトガー・ブレグマンのUtopia for Realistsの朗読を聞いています。
オーディブル英語版はオランダ語からの翻訳。
日本語でも「隷属なき道 AIとの競争に勝つベーシックインカムと一日三時間労働」の邦題で翻訳出版されている。
最初はユニバーサル・ベーシック・インカムというあまりに大胆な発想にただただ驚き、そんなことしたらフリーライダーが大量出現して国家が破たんしてしまうのでは？と疑問を感じたが、全編を読んでみて自分がいかに無知かよく分かる面白すぎる本でした。
この本は、貧乏人に現金を配れば貧困問題が解決するという問題解決法を提示するだけではない。
本当にすごいのは、価値を作り出す仕事はファンドマネージャーやコンサルタントという高給取りではなく、ごみ収集人や介護師、看護師という人をケアする仕事と喝破している点。
お金をたくさん稼いでいる人が偉い、勤勉は美徳、働かざる者食うべからず、という生まれてからこれまで叩き込まれてきた価値観って、人類不変の真理でもなんでもなかったんだという当たり前すぎることに気づかせてくれる。
オランダってすごい人を生み出すんだなあ、素直にすごい。こういう人がどんどん出てくる文化って、息がしやすそうに感じる。
朗読のPeter Nobleさんは朴訥な語り口で好感が持てます。この方はOther Minds: The Octopus and the Evolution of Intelligent Life（タコの心身問題）の朗読もしているので面白いノンフィクション専門朗読家なのか。
Utopia for Realists
By: Rutger Bregman
Narrated by: Peter Noble
Length: 6 hrs and 32 mins
Unabridged Audiobook
Release date: 05-03-17
Language: English
Publisher: Audible Studios for Bloomsbury
