スタニス ドラマと原作のちがい S2E1 (2) The North Remembers

S2E1 The North Remembers (2)


ドラマのスタニスの扱いがあまりではないか!?と悲憤にくれるブログ主が細かいことをくどくどとかきくどくシリーズです。

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(容赦なくネタバレしています&恒例画像勝手にすいません&ダヴォスちゃん可愛いという感想しか書いてありません)


S2E1 The North Remembers (2)

<ドラマのスタニス>

七神を焼いたあと突然軍議が始まっています。

ダヴォスの息子マッソスが書記をつとめて、七王国各地への檄文を起草している。
my beloved brother(わが愛する兄ロバート)という単語に反応するスタニス。

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He wasn't my beloved brother.I didn't love him, he didn't love me.
(彼はわが愛する兄ではなかった。私は彼を愛さなかったし、彼も私を愛さなかった)

愛されざる者、汝の名はスタニス

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こんなことでは進まないと知っているダヴォスが

A harmless courtesy, Your Grace.
(害のない儀礼です、陛下。)
ダヴォスの首のかしげ方が可愛いの。

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しかしダヴォスのコケットリーはスタニスに通じず、削除することに。

A lie. Take it out.
(嘘だ。削除しろ。)


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ここがエイゴン征服王の彩色テーブルの間なのですが、ドラマのテーブルは彩色というより彫刻テーブルですね。
原作のテーブルはウェスタロスの形に切り出されて、カラーで地図を描いてあるようです。ドラマはジオラマ化してあって地形は分かりやすいが、これではテーブルとして使えないのでは。

そして左右いちばん手前にいる人たちが誰か分からない。誰?

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キングスレイヤーは悪い奴だがそれでもナイトの称号はつけるよう指示。この世界では平民とナイトの間には大きなへだたりがあるみたいです。


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弟のレンリーとは講和しても良いのでは?と提案するダヴォス。

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一蹴するスタニス。

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レンリーがダメならロブ・スタークと同盟してはどうでしょう?と食い下がるダヴォス。
スタニスは

Who would steal the northern half of my kingdom. I've always served thieves according to their desserts, as you well know, Ser Davos.
(北半分を私から盗んだ男だぞ。私は盗賊には罪にふさわしい報いを与えてきた。そなたはよく知っているだろう、サー・ダヴォス)

視聴者はよく知らないのですが・・・


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このあとクレッセンが急に乾杯をしましょうと言い出し、メリサンドルに毒を盛ろうとして返り討ちに会います。

ちょっと唐突でよく分からない展開ですね。



≪原作では・・・≫

ドラマは原作のいくつかの場面をまとめてテーブルの間に放り込んであるのが混乱の原因です。

<これまでのふりかえりと講和拒否>

まだプロローグ。
クレッセンはストーン・ドラムの階段でのダヴォスとの会話後、彩色テーブルの間でスタニスと会見します。

レンリーが王位についたことや、昔のロバートの仕打ちを愚痴るスタニス。
なぜスタニスが先祖伝来のストームズエンドではなくドラゴンストーンの領主なのかここで説明あり。
スタニスは誰とも講和しないとクレッセンに宣言。

ダヴォスが説客に失敗したので、今夜の宴会でセルティガーやヴェラリオンやバー・エンモンやサングラスどもにどう対応すればいいんじゃとキレ気味のスタニス。
スタニスの家臣はプライド高くて不満ばっかり言ってくるのでスタニスも持て余し気味なのです。そんなドラゴンストーンのお家事情が面白いと思ってるのは私だけですか。


<毒殺未遂>

セリースとメリサンドルが闖入してきて退室したクレッセンは、メリサンドル暗殺を決意して毒薬を調合。
しかしうたた寝をして目覚めたときには宴会が始まっていました。ホールに行くと自分の席はパイロスが占めていて、クレッセンはやむなく下座のダヴォスの隣に座らせてもらいます。
ダヴォスはまだまだ下っ端で王からはとても遠い席次。

メリサンドルの食事に毒を盛るのを諦めたクレッセンはダヴォスの盃に毒を入れ、自分も飲むかわりにメリサンドルにも半分飲ませます。
気づいたダヴォスが止めようとしたが間に合わず、クレッセンはむなしく命を落とします。


<不義告発文書>

檄文の校正場面は原作ではもっと後、ダヴォスがサラドール・サーンの協力を取りつけたあとスタニスに呼ばれるシーンに出てきます。

ダヴォスが彩色テーブルの間に行くと、会議が終わって諸侯たちが出てくるところでした。セルティガーとヴェラリオンは会釈してくれるが他の貴族はダヴォスをまったく無視。だがなぜかサー・アクセル・フロレントだけが話しかけてくる。

アクセル・フロレントはセリース王妃の伯父で、スタニスがキングズランディングにいるときは城代castellanを務めていました。女王派の筆頭です。

スタニスはロバートが王位についたあと、リーチの勢力を取り込むためセリース・フロレントと政略結婚させられます。リーチで最大の家系はタイレルですが、たぶんスタニスがタイレルを拒否したのでしょう、二番手のフロレント家と婚儀を結ぶことになりました。しかし当主のアレスターには手ごろな娘がいなかったのか(※)、三弟リアムの娘セリースがスタニスの妻となります。
セリースの両親は原作にも登場しないようです。早くに亡くなったとかでしょうか?

次弟サー・アクセル・フロレントは姪とともにドラゴンストーンに移住、スタニスの臣下になったようです。一方、当主のロード・アレスター・フロレントはレンリーが王を名乗ったときに他のリーチの諸侯とともにレンリーの傘下に入りました。フロレント家はドラゴンストーンで微妙な立場です。それでアクセルはダヴォスの機嫌を取っておこうと思ったのかも知れません。どうでもいい話が長いですね。


ダヴォスが部屋に入るとスタニスは新しくメイスターになったパイロスに檄文を書かせていました。パイロスが文面を読み上げてくれる。

スタニスがロバートは愛する兄ではなかったとかジェイミーにサーをつけろと細かい指示をして文書は完成。
スタニスはダヴォスに息子たちと手分けして檄文をウェスタロス全土に届けるように命じます。
ダヴォスが向かうのは北方のスリー・シスターズやホワイト・ハーバー。

ダヴォスはスタニスに他の貴族たちが文書についてどう言っているか訪ねる。セルティガーは褒めていたが、やつは私の便所の中身をみても褒めるだろうとこきおろすスタニス。ヴェラリオンだけがペンより剣にものを言わせるべきだと主張した。さすがヴェラリオン。

スタニスがデレナ・フロレントが生んだロバートの私生児の話をします。この子はドラマではばっさり切られていたが、ロバートの遺伝子の証明として原作では重要な役割を果たします。


<おまけプラウドウィング>

スタニスとダヴォスの長い会話の最後にスタニスは少年時代に飼っていた鷹goshawk
について語る。
傷ついた野鳥を助けて、Proudwingと名づけ、鳥はスタニスになついて城じゅうついて飛んでくるようになった。だが決して大空へは飛び立とうとせず、ロバートは彼女(雌の鳥だったの)をWeakwingと呼んで馬鹿にした。

怪我をした鳥を見捨てることができず、自分で世話をした少年スタニスの繊細さがよくあらわれているエピソード。
スタニスファンはときどきスタニスが不用意に漏らす優しさに弱いんです。


※アレスター・フロレントには娘がいなかったわけじゃなかったらしく、長女がターリー家に嫁いでサミュエル・ターリーを生んでます。スタニスとサムって親戚だったのか。