いまさらですが、「ザ・クラウン」The Crownを見ました。少し前に「ウルフホール」を見終えたところだったので、エリザベス2世役がクレア・フォイでびっくり。彼女は「ウルフホール」ではアン・ブーリンを演じていました。
どちらも女王なのにぜんぜん違う。こんなに若いのにすごい演技力。
王冠を捨てた恋するウィンザー公の鼻声に聞き覚えがあると思ったら「ミス・シェバードをお手本に」でアラン・ベネットを演じてたアレックス・ジェニングスですね。
他人を馬鹿にして見下しきった演技が素晴らしい。
俳優も衣装もロケ地も素晴らしいが、どの回の脚本もすごくよく練られていて本当に見ごたえがありました。幼いエリザベスが父の戴冠式のリハーサルをする場面は伏線のお手本のよう。
The Crownという単語は定冠詞つき大文字で用いられるときには「王冠」だけでなく「国家」も意味するのだとこのドラマを見て初めて知りました。
王権は神が授けるものだから、戴冠式は国会議事堂ではなく教会で行うこと、アーチビショップに聖油を塗られることで神とつながり聖別された王となることなど、驚きの連続です。
戴冠式は見た目が豪華だから教会で行うのかと漠然と思ってましたが(←アホ)、もっと深い理由があるのですね。
王と教会については「ウルフホール」でもいろいろ難しい法律が出てきましたが異教徒には理解しにくい概念だ・・・
といろいろ学ぶところの多いドラマでしたが、私の目的はスティーヴン・ディレインです。
以下恒例勝手に紹介
重厚な雰囲気だ。喋り方にもいつものようなトゲがないので別人みたい。
アトリエではくつろいだ服装(変だけど。芸術家だからな)
絵を書きながら何度もOver here(こちらを見て)というセリフを繰り返すのですが、静かにささやくような言い方で、やっぱり魅力的な俳優だなあと改めて思いました。
画家のあいだで交わされる会話で、心の底に隠れている嘆きや恐れが現れてくるところもお見事。しかしちょっと後味が悪かった。脚本が上手いだけに残酷さが際立つエピソードでした。
ここで言うことではないのですが、ファンフィクションで画家のスタニスのアトリエに電気技師のダヴォスちゃんが訪問修理にくるって作品があって大好きなのです。