Audible洋書 Once Upon a River

Diane SetterfieldのOnce Upon a Riverを聞いてみました。
以前にこの作者のBellman & Blackという喪服製造業者の小説を読んだことがあって、面白かったので今度はOnce Upon a Riverに挑戦。

宿屋に集まった人々が物語を語るというカンタベリー物語風の作品。
テムズ川のオックスフォードに近い宿屋「白鳥亭」。物語好きの客が集うこの店に川で溺れかけた男と少女がかつぎこまれる。
懸命の救助で息を吹き返す二人だが、男は少女とは赤の他人だという。

少女は自分の素性を語らないが、ひそかに「行方不明のウチの子じゃないか」と思う人々がいた。それも何組も。
物語が進むにつれ、平凡そうにみえる村人たちがそれぞれ秘密を抱えて生きていることが次第に分かってくる。

果たして少女は何者なのか?
行方不明になった女の子たちはどうなってしまったのか?
すごく引き込まれる話です。とりわけわが子を失くした母親たちの語りが切ない。

最後にパズルのピースがパチパチと音を立ててはまっていって「あああれってそういうことだったのか!」と気づく瞬間がすごく快感。


失われた少女たちの名前がすべてAで始まる(アリス、アン、アメリア)のには何か意味があるのかな。

Juliet Stevensonの朗読も素晴らしい、大満足のオーディオ作品でした。

 

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Once Upon a River
By: Diane Setterfield
Narrated by: Juliet Stevenson
Length: 16 hrs and 26 mins
Unabridged Audiobook
Release date: 17-01-19
Language: English
Publisher: Random House Audiobooks