「愛です」の意味を誤解していたのか(『ゴールデンカムイ』ネタバレあり)

ゴールデンカムイ公式サイトで「金塊争奪戦名場面選手権」が開催されています。

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各キャラクターの名場面を選んで投票という企画ですが、鶴見の選択肢の一つ


杉元を追わずに鯉登の介抱をしている月島に対して冷たい目を向ける鶴見中尉

 

という作者による解説に非常に動揺しています。

怪我した鯉登を抱えて座り込む月島。鶴見はそちらを一瞥しただけで声もかけずに去っていく。「嘘でも心配したらどうですか」と思う月島。

たぶん多くの人がこの場面を「役立たずの鯉登に冷たい視線をくれる鶴見」と理解してたと思いますが、今回の作者による説明で、鶴見は自分の命令をきかず鯉登の世話にかまけている月島をねめつけていたと判明。睨まれたのは鯉登じゃなかったの。

あと数日で最終巻が発売になるタイミングで作者じきじきに「解釈違い」を言い渡されるとは。完結したあともいろいろ心乱される漫画です。

それで思ったのが鶴見の「愛です」作戦のことを、「部下に鶴見を愛させ(て鶴見のために命を投げ出す戦士に仕立て)る」のだと思っていたが、それは誤読だったのではないかってことです。実は「鶴見が部下に愛を注ぎ込む」って意味で、愛する主体は部下ではなく鶴見なのでは。
宇佐美に「部下を駒と思ったことなどない」って言ってたのは本心だったのか。

愛を注ぎ込めば当然注いだ相手に愛着が生じると思うけど、そのへん鶴見はどうするつもりだったんだろう。偽りの愛だから大丈夫と思っていたのか?でも鶴見は愛するふりをするうちに本気で愛して苦しんでしまうタイプなのに。情報将校なのに自分のことが分かっていなかったのか?

30巻の加筆修正も衝撃だったが、来週の31巻も楽しみなような恐ろしいような。
たった三カ月ほどのにわかファンなのにこんなに楽しませてもらって、我ながら本当にラッキーな読者です。