宇佐美と尾形は同じ人物の裏表か
(漫画『ゴールデンカムイ』の最終話までのネタバレがあるのでご注意ください)
今日はアニメの「上等兵たち」放送日らしく、楽しみだけど今後の楽しみがなくなるのが悲しい。
最近またイワンとスメルジャコフは同じ人物の裏表説を思い出し、宇佐美と尾形も同じ人物の裏表なのだろうかと考えたりしています。
アニメの「愛です」の場面で太ももをなでられてまんざらでもない尾形がとても可愛いかった。
鶴見にハグされて喜ぶ少年時代の宇佐美と、内心ではスキンシップを求めているのに素直になれない尾形は好対照。
しかしなぜひとりの人物にせず、二人に分けたのでしょうか。
『ゴールデンカムイ』では同じ役割を二人に振り分けていることが多いように思う。
■宇佐美と尾形
ニコイチ上等兵。どちらも幼いときに殺人を経験。
鶴見に自分だけを見ていてほしいと切望している。
(愛です四人組内でも月島と鯉登はあんまり独占欲も嫉妬もなさそう)
■教唆者
宇佐美は尾形に親族殺しを唆す。尾形は勇作に戦場外での殺人(犯罪)を唆す。
ここはイワンっぽい側面。
■家庭内のはぐれもの
庶子尾形。あたたかい家族がいながら幼少期から異常さがにじみ出ている宇佐美。
家庭があって、屋根の下で暮らしていても、その枠の中でノーマルな人間として生きていけない。スメルジャコフっぽい。
■智春と勇作
出木杉くん。慕っている相手につきまとって嫌われる。歩く殺人衝動トリガー。
■勇作の父と鯉登の父
将校。息子を自分と同じ職業につかせる。まあこの二人はどっちもフョードルだから。
■勇作と鯉登
勇作の「不殺」と「童貞」はアリョーシャの修道士としての貞節を表してるのかな。
だとしたらアリョーシャ鯉登も純潔の役割を与えられてるのかも。鯉登は戦争に行っていないので、物語のある段階までは人を殺してないだろうし。(民間人でしかもこどもなのに人を殺してる宇佐美や尾形とは違う)
■鶴見とウィルク
もともと物語全体の父はウィルク(善の父)だったが、途中から鶴見が悪の父として物語を支配することになった。ここの交代の意味が自分にはよく分からなかった。最後までウィルクではダメだったのか?ウィルクには何が足りなかったのか。
娘はいろいろ背負わされがち。
■イワンの悪魔
ちょっと油断するとみんな悪魔化して憑依してくる。
■あとなんか家族が流行り病で全滅したり、家を焼いて出奔したりする人が多い気がする。
家を焼くというのは作者のオブセッションなのかな。
同じ役を複数に振り分けて、同じことを違うセットでやらせる。遺伝子の二重らせんのよう。