鶴見ボーイズの父たちとフョードル・カラマーゾフ(『ゴールデンカムイ』ネタバレあり)

(漫画『ゴールデンカムイ』の最終話までのネタバレがあるのでご注意ください)

ゴールデンカムイ』を最初に読んだときの疑問:
鶴見の部下のうち2人も父殺しっていうのは多すぎないか?
尾形の父と鯉登の父は気が合いそうに見えないけど、どうして親友同士なの?
については、自分の中では


「すべての父はフョードルだから」


という答えで解決しました。

一応比べてみました。

■フョードル・カラマーゾフ
・地元で評判が悪い
・地主(身分が高い)
・金持ち
・妻ふたりに先立たれている
・妻以外の女性との間に私生児がいる
・女好きで長男と恋人を争っている
・末っ子を可愛がっている
・息子に殺された

 

フョードルってどうやって変換するか分からずいつもコピペなのですが、どうタイピングすればよいのでしょう。

 

(漫画『ゴールデンカムイ』の最終話までのネタバレがあるのでご注意ください。とくに鯉登)

 

■月島父(名前不明?)
・地元で評判が悪い
・妻に先立たれている(?)
・息子の恋人に手を出して殺した(ことになっている)
・息子に殺された

■宇佐美父(名前不明?)
ドストエフスキーとは縁のなさそうな平穏な農民(と思ったが実は零落した地主とかかもな)

■尾形父(花沢幸次郎)
・陸軍将校(身分が高い)
・金持ち
・妻以外の女性との間に私生児がいる
・息子に殺された
・鯉登平二と同郷の親友。死ぬ前に手紙を出していた(←ドストエフスキーっぽい。ステパン氏みたいモンシェール)

■鯉登父(鯉登平二)
・海軍将校(身分が高い)
・金持ち
・末っ子を可愛がっている
・息子のせいで死亡
・花沢幸次郎と同郷の親友

 

父殺しのテーマが存分に発揮されている鶴見ボーイズ。鯉登家は免れたかと思っていたが、宿命からは逃げられなかったようです。

 

『悪霊』を読むと上流階級の人たちがうっかり"Merci"と言ってしまい「まあ教養がでちゃってオホホホホ」みたいなことになる場面がちょくちょく出てくる。ソフィアもこんな貴族の間で育ったんだろうなあと思わされます。