BBCのラジオドラマ版グッド・オーメンズの再放送を聞いています。いままで何度も聞き返してるのですが、、話の筋は分かってるからいいかと毎度聞き流してきました。しかし改めて聞いてみると、何言ってるかわかんないところが多かった。
どこが解りにくいか自分で自分に説明してみます(どんな企画)。スクリプトはネットで拾ったものを参考にしました。
Good Omens
1. The Arrival
小説版とテレビドラマ版は最初にト書きや神のナレーションで説明があるが、ラジオドラマ版は楽しそうな男女の笑い声のあと雷鳴が轟き、急に男性の声が
「Oh dear, oh dear、フルーツから離れて出て行ってね」
と割り込んでくるので、小説を読んだことなかった人は意味不明でびっくりしたんじゃないかな。このオーディアオーディアっておばあさんみたいな言い方が好き。天使なのにおばちゃんっぽい。
このあとアジラフェルがドアを開ける金属っぽい音がするので、エデンの東門は鉄扉だったのか?だれが鋳造したのだろうか。テレビドラマ版は石の壁だったが。
アダムとイブがとても標準的な発音の英語でアジラフェルと会話するんです、アダムは人語が話せるのね!いや、当たり前なのか?分からない。聖書が分からなさすぎる。
アジラフェルは鉄扉を閉めて「外にいなさい、ピープル!」このpeopleがすごい力の入った言い方なので隠された意味があるのか?アダムとイブふたりでもうピープルなのか、原始人とか言う言い方はしないのか、英語って謎です。
クロウリーが「そそそそそう、鉛の気球みたいな顛末だな」と突然登場。
lead balloonと分かって聞いていてもredにしか聞こえない。いまこの言い回しを検索していてレッド・ツェッペリンの綴りがLed Zeppelinだと初めて知りました。ずっとredだと思ってた・・・
クロウリーがfirst offensse and everythingというのがよく分からない。初犯で追放ってひどくない?ってことか?
and everything
spoken and a lot of other similar things
ロングマン現代英英辞典
辞書引いたけどますます分からない。
アジラフェルがCrawlyと呼ぶとクロウリーは「この名前イヤなんだよな」と愚痴る。ここラジオドラマオリジナルだと思うのですが、「自分から蛇になったくせに」というアジラフェルの返事もラジオだけと思うと美味しい。
「目を覚ませよアジラフェル、誰から門を守ってるんだ!」「まずは君かな、クロウリー」「よくやった(嫌味)」みたいな漫才も好き。
You can’t second-guess ineffability.
というアジラフェルのセリフは原作と同じ、しかしineffableとineffabilityはこの小説のキーワードなのに日本語に訳しにくい単語ですね。
ineffable
causing so much emotion, especially pleasure, that it cannot be described:second-guess
to guess what someone will do in the future:ケンブリッジディクショナリー
炎の剣持ってなかった?と聞かれてあげちゃったと答えるアジラフェル。
Oh, Did you now?
というクロウリーの答えもよく分からず、何でnowがついてるの?
オープニングクレジットが終わるとアジラフェルの長いメモ。恐竜が冗談とか地球がてんびん座とか。
ラジオドラマの天国側ってアジラフェル一人でがんばってる。テレビドラマは天使が増えてよかったね。
ハスターとリガーがクロウリー(Crowleyに改名済み)を待っている。まさかM25に乗ってないだろうなというハスターの期待を裏切らないクロウリー
「ハスター!いまちょうどM25だよ!」
車の中でキラークイーンがかかってるのがかすかに聞こえているのがグッとくる。
クロウリーをスピード違反で捕まえようとする不運なおまわりさんはテリー・プラチェットとニール・ゲイマンの特別出演。テリー・プラチェットが自作のドラマ化に出てるのは珍しいのでは。
ハスターとリガーに悪事を自慢するが通じないクロウリー。最初は得意満面で調子に乗ってるクロウリーだが、反キリストみどりごを押し付けられてオロオロしはじめるところが可笑しい。
ラジオドラマ版のクロウリーは自信満々で気取ってるのにやることが間抜け。声がイケボなのがさらに笑える。
テレビドラマ版以降、天使と悪魔のラブストーリーがフィーチャーされてるグッド・オーメンズだけど、出版されたころはバカSFというかお笑いファンタジーの分類だったように思う。赤ちゃんの取り違えのところは特にクロウリーとシスター・メアリーのやりとりがアホらしくて楽しい。
父親のほうのヤング氏がシスターのウィンクを見て「ケン・ラッセルの映画かよ!」と思う場面はイギリスでは受けたのだろうか・・・
ヤング氏の前任地はラジオドラマではルートン、テレビドラマはスウィンドンだったような?記憶違いか?(よくある)
テレビドラマ版にはクロウリーがアジラフェルに電話しようとするが自分がケータイ基地局クラッシュさせた報いで繋がらないという小ネタが入ってましたが、ラジオドラマ版ではクロウリーが直接本屋に来て「悪魔だって本を買うんだよ」と意味深に言ってたけど意味はあるのだろうか。
クロウリーがナニー募集の広告を見せようとしたときアジラフェルが
The birth of the Antichrist has been announced in the broadsheets?
と言ってて、アメリカ大使館はタブロイドではなく高級紙で求人してたのでしょうか。それとも求人誌だったのか。分からないことが多すぎる。
アジラフェルは
Shotgun the gardener job.
と庭師を横取りしてしまう。このショットガンは助手席の意味でOK?
broadsheet
a newspaper that is printed on large sheets of paper, or an advertisement printed on a large sheet of paper:
In Britain, the broadsheets are generally believed to be more serious than the tabloids.shotgun
used to refer to the seat next to the driver in a car or other vehicle:ケンブリッジディクショナリー
俺のスカート姿見たことないだろうというクロウリーにアジラフェルは
Culloden. 1745.
日本では「カロデンの戦い」と表記されますが、アジラフェルの発音は「クロデン」に近いような。
クロウリーはジャコバイト側で戦ったんですね。この場面テナントのハイランダーコスプレで再現してほしい。
Culloden
(kəˈlɒdən)
a moor near Inverness in N Scotland: site of a battle in 1746 in which government troops under the Duke of Cumberland defeated the Jacobites under Prince Charles Edward Stuart
クロウリーがイマジナリー・ドッグを「オー悪い犬だ悪い犬だ」と褒めるところがイギリスっぽいと思う。悪い犬も可愛がるイギリス人。
エンドクレジットもオープニングと同じくアグネス・ナッター。なんか訛ってる?ヤングがヨングみたいになってる。