(4)BBCラジオドラマ「雲なす証言」聴きどころ

エピソード4


レディ・メアリの仮病が母によってあばかれる。
日本語訳で先代公妃とされている母上は英語ではDowager Duchess(公爵未亡人)というのですね。
調べ学習のついでにダウントン・アビーのバイオレットおばあさまは
Violet Crawley, Dowager Countess of Grantham
ヴァイオレット・クロウリー、グランサム伯爵未亡人
だという知識が増えました。
dowager/ˈdaʊə.dʒər/ は夫を失った身分の高い女性。


ピーター卿のロンドンの留守宅でバンターにかしずかれるパーカー警部。原作ではポートワインを出されていたが、ラジオドラマではスティルトンチーズを味わったようです。

そこへメアリ姫が押しかけてきて大げさに取り乱してみせるので困るパーカー。バンターに助けを求める警部。バンターがアンモニアをかがせて、おひいさまを落ち着かせる。

Mr. Bunter was not far off. In fact, he was just outside the door with a small tray. With a respectful “Allow me, sir,” he stepped forward to the writhing Lady Mary and presented a small phial to her nose. The effect was startling. The patient gave two or three fearful whoops, and sat up, erect and furious.
“How dare you, Bunter!” said Lady Mary. “Go away at once!”
Sayers, Dorothy L.. Clouds of Witness (Lord Peter Wimsey Mystery)

メアリがいままでのお芝居を忘れて「お下がりバンター!」と激高するところが好き。
怒ってるほうがメアリらしい。

バンターはさらにメアリにブランデーを飲ませるが「そんなにがぶがぶ飲まないでください。無駄にすると御前が悲しまれます」と失礼なことを言う。メアリに高級酒を飲ませるのはバンターにとっては無駄なのか。だったら安物を飲ませておけばいいのに、ピーター卿の部屋には逸品しかないのでしょうか。

“This is the 1800 Napoleon brandy, my lady. Please don't snort so, if I may make the suggestion. His lordship would be greatly distressed to think that any of it should be wasted.

メアリはさらにでたらめな供述をでっちあげ、自分が殺人犯だと自白してパーカーを困惑させる。
前半はメアリの嘘が延々と続くのでちょっと飽きますね。


一方ピーターはメアリが出入りしていた社会主義者のアジトで妹の元恋人にでくわして撃たれる。ここからストーリーが急展開(と思ったらそうでもないのだが)