Day13 エイリス、タイウィン、ステフォン 「氷と炎の世界」 Audible+kindle


(自分用メモなのでお構いなく)


今日から四章にわたってエイリス二世。
若いころの治世は爽やかで清々しい青春群像。
あとの悲劇との落差の大きさに驚かされます。


今日の進み具合:
チャプター37


エイリス二世(Aerys II)は18歳の若さで鉄の玉座に座りました。ナインペニー・キングズの戦いの時には勇敢に戦ったハンサムな若者で、その魅力で多くの友人を得ていました。

しかし彼が王位についたその運命の年、262ACにはストームズエンドで王の友人ステフォン・バラシオンに黒髪の息子ロバートが生まれ、遠く北のウィンターフェルではリカード・スタークが長子ブランドン・スタークの誕生を祝ったのです。
そしてその翌年、スターク家にはもう一人の息子エダードが生まれました。この三人の赤ん坊がウェスタロスの運命を変えることになろうとは、このときは誰にも知る由もなかったのです・・・


と、いやがうえにも高揚する出だしで始まる章です。
でもちょっと待って、ネッドと同じころにストームズエンドにもう一人黒髪の息子が生まれてるでしょ、スタニス・バラシオンのことも書いてあげて・・・この本スタニスは基本的にスルーの編集方針なので悲しい。




さて王となったエイリス二世は父の宮廷人事を一新し、弱冠二十歳のサー・タイウィン・ラニスターを王の手に任命します。タイウィンは七王国で最年少の手となり、このあと二十年の長きにわたってエイリス二世を宰相として支え続けることになります。たぶん在任期間も世界記録だと思う。

エイリス二世とサー・タイウィンは少年時代からの友人でした。
タイウィンは王家の小姓として出仕していたのです。同じく小姓だったステフォン・バラシオンとの三人組は離れられない(inseparable)仲良しでした。

ナインペニー・キングズの戦いでは三人は共に戦いました。タイウィンは任命されたばかりの騎士として、ステフォンとエイリス王子は従者として。
ステフォンは父オームンド・バラシオンの従者だったのかな。エイリスは誰の従者だったんだろう。ジェイへイリス王は出征してないからタイウィンか?

ここでは書いてないですが、この戦いのあとステフォンは亡父の後を継ぐためストームズエンドに帰ってしまったと思われるので、王都に残ったのはエイリスとタイウィンだけではないかと。ステフォンは離れたところから二人を見守ることになりました。


エイリス王子が16歳で騎士となったとき、叙任の栄誉をになったのはサー・タイウィンでした。王子を騎士にするってなんか想像もつかないけど。よほど仲良しだったのでしょう。
あとどうでもいいけどタイウィンが年上ってところが意外で萌えるわ。


この本全体がラニスターへの提灯記事という設定になってるのですが、このあとはエイリスの伝記というよりタイウィン伝。

王の手となった翌年、タイウィンはいとこのジョアナ・ラニスターと結婚します。彼女はジェイへイリス二世の戴冠式のために上京し、そのままレイラ(Rhaella)王女の侍女として宮廷勤めをしていました。

注釈にエイリス王子が父の戴冠式の夜にジョアナに手をつけたのではとか、タイウィンの結婚式でエイリス二世に不埒な振る舞いがあったとかいう噂が記録されていて不穏な感じです。

しばらくしてレイラ王妃はジョアナに暇を出し(理由不明)ました。ジョアナはカスタリー・ロックへ帰り、首都へはめったに来なくなった。
このころからエイリスとタイウィンの仲はぎくしゃくしてきます。


エイリス二世とレイラ王妃の間にはサマーホールでレイガー(Rhaegar)王子が誕生したあとは死産が続いていました。
タイウィンに双子が生まれたときには、エイリス二世は「自分は結婚する相手を間違えた」などと言ってタイウィンとの間に緊張が高まったようです。

しかしながらタイウィンが父の死によってカスタリー・ロックの領主となり、領地へ戻ってしまったときにはエイリスは宮廷ごとカスタリー・ロックへ行幸して一年もとどまりました。

仲直りしたかに見えた二人ですが、キングズランディングに戻ってからは何かと意見が対立するようになり、エイリスはタイウィンの息のかかった廷臣を敬遠するように。


エイリス二世の在位十周年記念御前試合が行われたときに、六歳のジェイミー&サーセイ・ラニスターが母に連れられて宮廷にお目見得します。
エイリスは酒席でジョアナにセクハラ発言。タイウィンは怒って王の手を辞任しようとするが辞表は却下されました。
エイリスがタイウィンと喧嘩しながらもそばに置こうとした理由は何なのか?それは王にしか分からない・・・って教えてよ著者の人。


ジョアナが産褥で亡くなったときにエイリスが「タイウィンの傲慢さへの神罰だ」と発言したこともタイウィンを傷つけましたが、彼は黙って耐え、七王国の運営に力を注ぎました。
いっぽうエイリスにはついに待望の次男が誕生しました。けれどこのヴィセリス(Viserys)王子を守ろうとするあまりエイリスは周囲を疑い、正気を失っていきます。


タイウィンは何を思ったのかヴィセリスの誕生を祝ってラニスポートでトーナメントを開催します。
エイリスが長男レイガー王子の活躍に上機嫌なのを見たタイウィンは、そろそろ太子もご結婚のお年頃では、ついてはわが娘サーセイを・・・と切り出したのですが、王は「お前は有能な召使だが、召使にすぎない」と拒絶。
そのうえジェイミーをレイガー王子の従者にしたいというタイウィンの願いも却下。
ライオンのメンツ丸つぶれです。



このころからエイリスは狂気の道を歩んでいたのでしょう(と書いてある)、ダスケンデールの領主が税金を払わないので自ら取り立てに行って捕虜になってしまいました。
タイウィンはあまり真剣に救出してやらず、王が死んでもレイガー王子がいるからいい、という態度だったようです。
勇敢なバリスタン・セルミーの活躍でエイリスは首都に戻ることができました。

エイリスは王宮に閉じこもり、髪も髭も伸ばし放題、すべてを疑い、とりわけタイウィンを警戒するように。
またタイウィンがレイガー王子を擁して自分を害するつもりではないかと太子までも疑うようになりました。


タイウィンに対抗するためにエイリスはいとこのステフォン・バラシオンをキングズランディングに呼び、スモールカウンシルに入閣させます。
王はステフォンに狭い海を渡ってレイガー王子の花嫁を探す任務を課し、帰任のあかつきにはタイウィンに代わって手に任じるつもりだとの噂が流れます。

ステフォン・バラシオンは任務に失敗、帰国の途中で難破して妻とともに海の藻屑と消えました。夫婦の上の息子二人がストームズエンドから事故を目撃しています。
このときスタニスは14歳くらいだったと思うのですが、小説で「この海難事故のあと七神を信じるのをやめた」とダヴォスに語っています。ロバートとスタニスにとってエイリスは両親の仇みたいなもんですよね。


エイリスは権力を失うのを恐れたタイウィンが手を回してステフォンを殺したと思い込み、王と手はますます険悪な関係に。

王は太子も疑い始めたので、レイガーは主にドラゴンストーンで暮らしています。ドーンのエリア・マーテルと結婚したレイガー王子は生まれた娘を王宮に連れてきましたが、エイリスは孫に会おうともしません。


タイウィンは黙々と業務に没頭していたようですが、キングズガードに欠員ができたことでついに王と手は決裂することに。
エイリスはジェイミー・ラニスターを新たなキングズガードに指名しました。キングズガードは誉れある地位とはいえ、家系は断絶してしまう。

タイウィンはその場で片膝をついて王にお礼をのべ、そのあと病のため王の手を辞したいと願い出ました。
エイリスは快諾、タイウィンは王の手の鎖を置いて首都を去ったのです。ここに二十年におよぶエイリスとタイウィンのパートナーシップは終わりました。


この章ものすごく長かった。そしてほとんどがエイリスとタイウィンの喧嘩で占められています。
バラシオン家は巻き込まれてかわいそう。


しかしエイリスとタイウィンが仲良く治世をまっとうしてしまったらロバートの乱も起こらず、そしたらダヴォスがスタニスを助けに来ることもなかったと思うとエイリスの狂気をありがたいと思わなければ。


長いと思ったのに朗読時間にしたら15分くらいしかなかった・・・

Aerys II