「サンドマン」オーディオドラマ オープニングクレジット

オーディブルのオーディオドラマ「サンドマン」の感想です。
ネタバレしています&いろいろ間違っている可能性が大きいのでご注意ください。


このドラマは聞いた人の感想が★4.7と、とても高いのですが、中には厳しい意見もあります。
マイナス評価で多いのが「コミック版を読んでないのでさっぱり理解できない」「騒々しすぎる」。

これはその通りと思う。
小説をオーディオドラマにした場合は、もともと文字だけだったものが音声になって分かりやすくなると感じられる。
でもコミックスを音声にするのは難易度高いわー。よくがんばったよね、そして原作を読んだ人はおおむねオーディオドラマに満足したのでしょう。
効果音やBGMも大音量で耳障りに感じることもあるのですが、なにしろもとがアメコミだから、漫画の擬音を音声化したと思えばよいか。


このあとオーディオドラマと原作コミックの話がごちゃごちゃになる予感。
読んでくれる方すいません。そして前置きがとても長いのでとばして読んでください。


アメコミのThe Sandmanは原作はニール・ゲイマン、絵はいろんな人が書いています(様々な専門用語があるらしいが分からない)。
Kindle Unlimited にThe Sandmanの最初の3冊ほどが入っているので、ずいぶん以前に読んだことがあります。
The Sandmanが人生で初めてのアメコミ体験でした。

そのときの感想は
・どのコマからどういう順番で読むかわからない。
・色がカラフルすぎて目が回る。
・セリフが手書きで読みにくい。
・セリフがすべて大文字で恐怖を感じる。
・文字が小さくてごちゃごちゃしてて読めない。

・・・ひどいですね。
しかし余白の美をめでる日本の少女漫画で育った人間にはあまりにハードルが高すぎたのです。
最初はタブレットで苦労しながら1ページずつ読んでいたのですが、あるときKindleはタップすると1コマずつ拡大表示してくれることに気づきました。しかも次のコマを自動的に選んで進んでくれるのです。ITの勝利!
これによって「絵や文字が小さすぎて読めない」 「読む順番が分からない」問題が解決しました。機器の進化に感謝です。

色合いや絵柄という美意識にかかわる問題は、慣れてきたら慣れました。
たぶん日本の漫画を始めて読む人も「わけがわからない」「あわない」と思うでしょうしね。
内容に引き込まれているときは、ビジュアルが自分に合わないことは気にならなくなりました。
しかしストーリーが自分に合わないときは、ニール・ゲイマンに全方向から拒絶されているようでつらいです。萩尾もと作画のサンドマンだったら私にも楽しく読めるのに・・・とか恨んでしまいます(誰を)。


そんな苦労を思い出しながらオーディオドラマを聞いてみましょう。

まず、オープニングにとても壮大なテーマ音楽が流れます。このドラマにかける意気込みが感じられる。
ナレーターがニール・ゲイマンご本人です。変な言い方ですが、ニール・ゲイマンの声ってニール・ゲイマンの世界にぴったりなんですよねー。

さて、最初に「神々は現れては去っていく」というナレーションで幕をあけます。
こんなのコミックにあったっけ?と最初のページを見ましたがコミックには「知恵はルビーにまさる」というヨブ記の引用と「Dはいろんな頭文字」というジョン・ディー(1989年)の引用しかありませんでした。エンドレスはみんな頭文字D


コミックはいきなり本題から始まって、読者はしばらくおいてけぼりなのですが、オーディオドラマの制作陣は一般人には説明が必要と気づいたのでしょうか、親切です。
「最初の生き物が息をしたとき、彼と同胞たちもそこにいた。ジ・エンドレスたちが。最後の生き物が去るとき、その使命も終わる。
彼の領土ドリーミングは眠りと想像の世界。その名はドリーム、モルフェウスの殿。彼もまた変化と死をまなばねばならぬ」。

そしてジェームズ・マカヴォイによる「ザ・サンドマ~ン」という渋い声のタイトル(今後毎話きける)とオープニングクレジット。

はー素敵、これから夢の世界がはじまるのですね。


このナレーションで気づいたのですが、The Dreamingってモルフェウスの領地の名前なんですね、夢全般を指すかと勘違いしてた。

音楽は本当に壮大で、ドラマ「ザ・ボーイズ」でスーパーヒーロー映画の説明で「ここでハンス・ジマー!」ってセリフがあったのを思い出した。やはり盛り上がるテーマ音楽は大事。