「またウサギ狩りなの?牧師さん」サンドマンのジョーク
オーディオドラマの『サンドマン日本語版』に「ウサギ狩りなの牧師さん」というセリフが出てきて何じゃこりゃと思いました。
ネットフリックスのドラマ版『サンドマン』を鑑賞していると、エピソード6「翼の音」The Sound Of Her Wingsの1989年のパブでモブの人が
"Are you hunting for rabbits again, vicar?"
と言って周りの人が爆笑していました。ジョークだったのか。
検索してみると、猟場番が密猟者を捕まえてみたら牧師だったというジョークのようです。牧師は見逃してもらう代わりにウサギを捕まえる秘訣を教える。帰宅した猟場番がその秘訣を試そうとすると・・・というのがオチになっています。
1389年の酒場でも同じギャグが使われているらしいので再度鑑賞してみると、確かにドリームがデスに「人間たちの話に耳を傾けなさい」と忠告されたすぐあとに
"Are you hunting for rabbits again, Friar?"
と言ってる男がいて周囲の人たちが大笑い。エロ話を聞かされたサンドマンはむすっとしています。
Friar(修道士)の意味が分からず、さらに検索していたら、この艶笑譚はチョーサーの『カンタベリー物語』が元ネタらしい。
近くで聞いていたインテリっぽい二人組が「こんな酒場のバカ話じゃなくてもっと高尚な話が必要なんだジェフリー」「えーでも俺は酒場で夜聞くバカ話が好き」とか会話してるので、後者がチョーサーですね。
恐るべしニール・ゲイマンとまた(数百回目くらい)思いました。
そういえばコミック版にもいてたなこの人たち。オーディオ版にはいなかった。
ドラマの「またウサギ狩りなの、修道士様?」はオチの前の日本語字幕が誤解させるのですが、このジョークを知らずに翻訳するとそうなってしまうので、とにかくゲイマンの翻訳は怖いとまたも(数百回目くらい)思った。