Netflix サンドマン Ep6 The Sound of Her Wings

Netflixのドラマ『サンドマン』 を見たので感想をメモしています。
ネタバレしています。本当にただのメモです。
原作コミックスやオーディオドラマ版との比較も(時々)試みています。

 

モーフィアスMorpheusが姉のデスDeathに気合を入れてもらうエピソード。

【ここが原作と違う】
原作ではワシントン・スクエアで鳩に餌をやっていたが、ドラマのロケ地はRichmond Greenだそうです。道理でベンチや芝生がイギリスっぽい。隣のベンチでクロウリーとアジラフェルが情報交換してそう。
姉弟が歩くのはハマースミスのLower Mallで、背景の橋はロンドンブリッジかと思ったらHammersmith Bridgeですって。バイオリニストが住んでいる立派な建物はDigby Mansions。
その後の木製の素敵な橋と水辺の風景はメイデンヘッドのJubilee River near Dorneyで撮影されました。ぶらりイングランド二人旅。

今回のドラマでは白人キャラクターの多くが黒人女性によって演じられています。
デスも原作のパンクな白人の姉ちゃんから穏やかな雰囲気の黒人のシスターになっている。人種変更はいいんだけど(むしろどんどんやって東アジア人俳優ももっと増やしてほしい)、黒人女性の演じるキャラクターがほとんど善良な性格になっていて、それはそれでステレオタイプになってしまわないのだろうかとちょっと疑問に感じました。
原作のデスは弟を心配しつつも、腹が立ったらストレートに怒りをぶつけるキャラクターだったので、ドラマの優しい姉上にちょっと拍子抜け。

The Sound of Her Wingsだけでは短すぎたのか、後半はMen of Good Fortuneです。
デスのお陰で気を取り直したモーフィアスは、友達との約束を思い出す。
角を曲がるとすぐ例のタバーンで便利です。しかし酒場は閉鎖されている。ガーンってマンガみたいな顔のモーフィアス。

White House Tavernの外観はバッキンガムシャーのチューダー様式の館Dorney Court。ここでは「ポワロ」「高慢と偏見とゾンビ」「ブリジャートン家」などが撮影されたそうです。

このあと不死の男ホブ・ゴドリングを通じて1389年から100年ごとのイングランド移り変わりが語られる。
ホブ・ゴドリングに友達呼ばわりされて怒るモーフィアスがすねる駄々っ子のようだった。オーディオ版のマカヴォイは激怒していたのに。ドラマのモーフィアスはオーディオ版より育ちがよさそう。

【ここが原作と違う】
原作のモーフィアスは1989年の約束に間に合っている。コミックスの最初の発売が1988年らしいので、出版当時のリアルタイムに合わせたのでしょうか。
しかしドラマのモーフィアスが解放されたのは2022年のようで、ランデブーを一回飛ばしてしまった。
ホブ・ゴドリングは1988年から2022年まで毎日通って待っていたのでしょうか。泣かせる。しかし前世紀から建設ストップしたまま塩漬けの地主も泣きたいのでは。


1989年のバブルっぽい雰囲気の背景はCanary Wharf。
移転後のパブThe New InnはリッチモンドのThe New Inn Ham Common。White House Tavernの隣にあるように見えたが現実には遠いのですね。


今回のドラマ化でいちばん好きなエピソードがMen of Good Fortune。いろんな時代の衣装や建築が一度に楽しめてお得だった。と思ったらまたも最後でデザイアにすべて持っていかれてしまう。