「サンドマン」オーディオドラマ EP1: SLEEP OF THE JUST(1)

オーディブルのオーディオドラマ「サンドマン」の感想です。
ネタバレしています&いろいろ間違っている可能性が大きいのでご注意ください。

 

EP1 SLEEP OF THE JUST

いよいよ本編です。
ニール・ゲイマンのナレーションが、時は1920年6月、場所はザ・ロイヤル・ミュージアムのシニアキュレーターのオフィスと教えてくれます。(架空の博物館なのか?the British Museumの仮名?)
コミックは1916年6月から始まるので、オーディオ版はその4年後から過去を振りかえって説明してくれるのでしょう。

ここからアントン・レッサーの独り言コーナー。
ジョン・ハサウェイ博士 John Hathaway(声:アントン・レッサー)が4年前からの出来事を記録しています。
「私、ジョン・ハサウェイ博士はここに記録する・・・」ん?なんかこういうの覚えある?と思ったらジョン・ワトソン博士が未発表のホームズ原稿を書く時のスタイルに似ている。
アントン・レッサーのワトソン・・・可愛いかも・・・ホームズ役はマーク・ライランスがいいな、ジョナサン・プライスでもいいかな・・・(しばし夢の世界へさまよう)

ジョン・ハサウェイ博士は研究者の地位を悪用して、博物館のオカルト関係の蔵書を持ち出していた。
大戦が終わり、明日には蔵書の点検が行われる、自分の悪事もばれるだろうから事の顛末を書き残しておきたい。


もっとも重要な書物の名はMagdalene Grimoire。発音はモードリン・グリモアー。マグダレンではないのですオックスフォード方式?Grimoireは魔術書のことらしい。マグダラの魔術書くらいの意味か。「死」を呼び出し、命令に従わせることができる本。
ジョン・ハサウェイ博士はこの本をオカルティストで自称魔術師のロドリック・バージェス Roderick Burgessに渡してしまったのです。

1916年6月6日、ハサウェイ博士は列車でロンドンからどっか(リスニングできず)へ行き、そこからタクシーでバージェスの邸宅ウィッチ・クロスへ向かいます。
荷物が重いので運転手に運んでもらいたい博士だが運転手はそっけない、というどうでもいい小芝居でアントン・レッサーの愛らしさが小爆発しています。

ハサウェイ博士はバージェスに戦地からの電報を受け取ったこと、そこには息子のエドマンドの乗ったデストロイヤーがユトランド半島で沈没したと書かれていたと話します。
エドマンドはユトランド沖海戦で戦死したのでしょうね。バージェスは早く魔術書がほしくて生返事なのだが、ハサウェイ博士はこの本を渡せば死んだ息子がよみがえると必死になっていて可哀そう。アントン・レッサーのキュートさがまたも小爆発。
満月の夜に儀式を行えばもう誰も死ななくなると断言するバージェス。騙されて本を渡してしまうハサウェイ博士。

アントン・レッサーの出番はひとまずここまで。

 

このあと夢監禁事件に巻き込まれる人たちが登場。
ジャマイカの子の訛りがジャマイカだった。NTライブの「スモール・アイランド」で覚えたジャマイカ訛りがこんなところで役立つとは。

満月の夜、オカルト教団(the Order of the Ancient Mysteriesとかいうらしい)が集まって儀式を行う。
この儀式が・・・すごい中二病っぽい・・・

バージェスは自分をメイガスMagusと呼ばせている。MagusはMagi の単数形らしい。
こういうのを、うわ・・・恥ずかしい・・・とか思っているとサンドマンは読めないのでここは頑張って乗り越えよう!

黒魔術の召喚に答えて魔法陣の中に現れたのは・・・
「死」ではありませんでした。これは誰なのか?

デスと間違って呼び出されたのはドリームなのだが、教団員たちにはしばらく謎状態が続きます。


今回ニール・ゲイマンのナレーションが詳しく外見を説明してくれて知ったのですが、ドリームがかぶっている変なヘルメットは古代生物の頭蓋骨で、鼻のノズルみたいなやつは背骨なのですね。
コミックは絵だから見ればわかるように思えるが、絵というのはどう見るか分からない人にはさっぱり分からないのです。
首からは巨大なルビーのついた鎖が下がっていて、革の小袋pouchがそばに落ちている。pouchは日本ではポーチとカタカナ表記されるが、発音はパウチ。しかし日本語でパウチといえばラミネート加工。なぜこうなってしまったのか。
 
などというどうでもいい発音のことを考えていると、バージェスの手下のサイクス Ruthven Sykesは「死」を捕らえたと喜んでいる。サイクスってディケンズの悪役っぽい名前。ディケンズといえば「ディケンジアン」のアントン・レッサー良かったよな、などとまたも思考のそれる私。ここは意識の流れブログ。
バージェスは失敗したと気づくものの、ルビーと兜と小袋が手に入ったから結局良い仕事だった、こいつは閉じ込めておこう、とポジティブ志向です。
モルフェウスは虜囚となってしまう。

ここまでで10分くらいしか経っていないのですが、コミックスで分からなかったことがよく分かってとても満足しています。あと10時間くらいあるのですが。

 

 

「ディケンジアン」はディケンズの有名作品の登場人物が共演したら・・・というファンフィクションみたいなドラマですごく良かったです。

アントン・レッサーはフェイギンという悪役だが、なかなか人情味がある人物でした。